活動報告

「オンラインによる質的統合法(KJ法)初心者研修(2025.10月)の実施報告」
研修日:2025年10月18日(土)、10月25日(土)9時~17時 2日間
場所 :オンライン(Zoomミーティングによる)

オンライン(Zoom)の質的統合法(KJ法)初心者研修を実施しました(2025年度2回目)。

この研修は、看護質的統合法(KJ法)研究会 九州・沖縄支部の活動の1つとして実施しています。全国から7名のご参加があり、看護系大学の教員をされている方や大学院修士課程在学中の方などでした。今回は初心者研修のご参加が全く初めてという方ばかりでした。

実際の研修では、35枚のラベルを模擬データとして、2日間かけて分析プロセスの一部(グループ編成・図解)等を行い、2日目の最後に見取図を用いて発表会を行いました。発表会では、空間配置やシンボルマークについて質問し合ったり、討議したり活発に意見交換ができました。初めて分析する方と接し、この方法の難しさやよさを改めて感じました。今後も参加者の方とともに学んでいきたいと思います。


参加者から以下のような感想をいただきました。

  • 質的統合法の奥深さを実感できました。山浦先生のテキストのみでは、理解できなかった点を研修で丁寧に教えて頂き、理解を深める事ができました。データの読み込み3回の意味もよくわかりました。データ起こしから分析まで時間がかかりますが、症例とじっくり向き合える研究手法と思います。これから、修士論文にむけ、6例ほどインタビューし、質的統合法を用いて分析を実施する予定です。今回の学びを活かしていきたいと思います。
  • インタビューの分析に質的統合法を用いることを検討していまして、指導教授の勧めもあり、受講しました。授業で学んだことはありましたが、実際行うのは初めてで皆さんについていけるか不安でしたが、パソコンが苦手な自分でも(紙で)データにしっかり向き合えることもあり、どんどんデータにのめりこんでしまいました。他の受講生の方の分析の視点も参考になりました。
  • データや対象の語りと向き合う大切さを学びました。最初にデータを見たときの印象と、データを統合し、図式化した後の印象はまた変わっていて、質的統合の面白さを感じました。またいろんな研修を通して、今後もスキルを高めていけたらと思います。
  • 現在、KJ法での分析でデータ分析を行っている状況ですが、どのように統合したらよいのか分からず、今回の研修を受けて自分の分析に有意義なものになると感じました。改めて、データと向き合うことの重要性を感じました。
  • 今回の研修では、実践的な内容を通して自分の課題や今後の方向性を明確にすることができました。講師の説明も丁寧で理解しやすく、全体的に満足度の高い研修だったと感じています。また、他の参加者との意見交換を通して新たな視点や刺激を得ることができました。一方で、初めての取り組みということもあり、作業時間がやや短く、もう少し深掘りできる時間があるとさらに良かったと思います。
  • 学びの深い、いい時間をいただきました。ご指導は的確であると感じます。ただ、私自身が、コメントの一つ一つをこなしきれておらず、質問してやり取りをしたかったのですが、そういう時間はなかったかなと思います。困ったことは、ひとたび演習の内容の理解が違って、指示を正しくとらえていないとかなりのやり直し作業が入りますので、どうしてもついていけませんでした。データがレアであればあるほど、分析段階が進むたびに表現していることが正しいのか、これでいいのかがわからなくなります。通常は多くのケースを合体していくと思うので、ある程度抽象度が上がっていかないと表現しきれないのではないかと思います。そういう迷いがありました、そこが苦しかったです。


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