活動報告

オンライン研修会 臨床判断モデルの活用~新たな事例検討法として~
研修日:2022年2月26日・4月9日(土)13時~15時30分
場所 :Zoomによるオンライン研修

Z-kangoken Clubの企画として研修会を開催しました。2月26日と4月9日の2回、同じ内容で実施し、計16名の参加をいただきました。
まず、在宅看護における臨床判断および、タナーの臨床判断モデルの紹介、訪問看護事例による活用の実際を講義した後、臨床判断モデルの枠組みに沿った書き方演習、最後に事例を用いた臨床判断の討議(グループワーク)を行いました。
訪問看護で出会うことがありそうな事例を全部で4事例(実際の事例に基づき、教材化したもの)使用して、臨床判断モデルの活用を理解してもらえるようにしました。
参加者の方には、書き方演習を実施してもらったため、このツールのよさと難しさの両方を実感してもらいました。今後、日頃の訪問看護実践の場面を臨床判断モデルに沿って言語化し、事例検討に活用したり、看護実践を共有したりするツールに活用してほしいと思っています。
今回、参加者の方同士の活発な討議が実現でき、今後も在宅看護・訪問看護の実践者や教育関係者の方々と学びを共有してきたいと思います。


参加者から以下のような感想をいただきました

  • 臨床判断モデルを用いることで、その過程での自分の考えたことやアセスメントしたことが文章化され、振り返りにつながることが分かった。
  • 訪問場面を振り返り、なんとなくうまくいった、うまくいかなかったと自分の中だけで考えていたので、書き出しながら考えることで、その過程が明確になると思いました。また、それをもとにして、チームで話し合うことができれば、漠然とした事例検討会ではなく、話し合う視点が持ちやすく、ディスカッションしやすいのではないかと思いました。 また、定期的に事例をまとめることで、自分の成長も感じ取れて自信につながるし、一方で自分の課題も見つかるツールであると思いました。
  • 訪問看護師は利用者の家に一人で訪問するので、これでよかったかということが常に付きまといます。臨床判断モデルにケースを記入することで省察し学びにつながると思いました。日々業務に追われていますが、再度ステーション内で事例検討に使用したいと思いました。
  • 事例を書式に記載しようとすると、行動や思考・アセスメントを整理することが大変難しいと感じました。しかし、常に行っているアセスメントをこのようなシートを用い整理することが、自身の看護の学びへ繋がると思いました。
  • 臨床判断モデルは区分けが大変難しいですが、共有しながら学習できるツールとしてとても活用できるものだと思います。慣れていくことによって、日頃のカンファレンスで使えるまでになりたいです。
  • 講義を聞いて何となく理解したつもりでしたが、実際に書き方演習事例を行うと 推論パターン(直感的、分析的、説話的推論)を分けて書いていくことが難しかったです。
  • 今後勉強会で活用し、スタッフの質の向上、判断の自信につなげていきたいと思った。
  • 新しい知識に触れる機会が少ないので、 貴重な経験ができました。やはり、看護過程展開の考え方が定着しており、臨床判断モデルで分けて書くことは難しかったです。ただ、何気なく考えていることが秩序づけて考えられ良いと思いました。
  • 実際に使っていますが、スタッフに書き方の指導の際にうまく説明できないことを解消したいと思って参加しました。ケア志向という考え方や臨床判断における5つの結論の箇所が参考になりました。
  • 臨床判断モデルは普段から事例検討会で使用させていただいています。自分自身がコメントする立場でもあり、繰り返し学習している状況です。まだまだ難しい部分もありますが、これからも頑張りたいです。
  • 普段の行動を可視化する事が難しいと勝手に思っておりました。とても入りやすく感じましたが、考えと行動を書けるようにと思いました。ステーション内で共有できるツールとして活用できるようにしたいと思いました。
  • 模擬事例で実際に書いてみると、言語化し整理することの難しさと同時に必要性に気付けます。
  • 私は専門外来を担当しています。現場で相談できる相手が居ないことから時々、自分の判断が偏っていないか、これで良かったのか、迷ったり、悩むこともあります。そのようなときに今日学習した臨床判断モデルを使うことで、自分が何を見て、どう判断して、その結果が何だったのか、そのことが今後の看護にどう活かせるのかにも役に立つと思いました。
  • 事例検討で上手く活用できたら、まだまだバラバラの看護提供が看護観や利用者の思いをキャッチしながら、関わりが深くなるのに…と思っていました。今回学びのチャンスいただき、すぐ活用したいと思いました。 臨床判断で、普段していることを言語化して振り返ったり仲間と共有出来るのが嬉しいです。



このページのトップへ