活動報告


「訪問看護センター阿部」の定期学習会(臨床判断モデルを用いた事例の振り返り)に参加しました
日時:2020年6月10日(水)8時40分~9時20分
場所:『訪問看護センター阿部』の事務所 2階会議室

福岡県宗像市にある『訪問看護センター阿部』では、管理者の阿部久美子氏の方針もあり、定期的に学習会を実施しています。最近は、新型コロナウィルス感染症の影響で、密を避けて、一時中止になっていたそうですが、少し落ち着きつつあるため、学習会を再開したそうです。弊社は、『訪問看護センター阿部 』の事務所内に拠点を置いているため、朝のミーティングや学習会に、ときどき参加させてもらっています。


訪問看護センター阿部では、弊社ですすめている『臨床判断モデルを用いた事例の振り返り』学習をいち早く取り入れてもらっています。これは、Christine A. Tannerの『臨床判断モデル』を在宅看護実践に適用し、事業所内の討議により、日頃の実践の中にある看護師の判断を共有する学習方法です。このモデルは、「気付き」「解釈」「反応」「省察」の4つの様相があり、これらに分けて場面を記載することで、判断プロセスを明らかにすることが可能です。


1事例目は、60代の末期がんの男性の方への訪問の中で、水分出納と排尿についての判断の迷いに関するものでした。「もう少し様子を見る」という判断はよかったのですが、訪問看護ではその場を離れることになるため、在宅医との連携における対処の仕方についての学びを得ていました。討議では、今後も起こり得ることなので、予防策の取れる物品を準備しておこうという提案がなされていました。


2事例目は、80代の男性の方への歩行訓練に関するもので、ご本人の意欲をタイミングよく引き出して、戸外でうまく歩行できた場面でした。討議では、意欲を引き出したことに加え、歩行状態の細かな観察や事前の準備など、看護師の判断の根拠が適切であったことが確認できました。2事例とも、現在訪問看護サービスを継続している方のことであり、他のスタッフから新たな対処方法なども提案されて、実践に活かされていくものでした。


管理者の阿部久美子氏からは、以下のコメントをいただきました。


訪問看護の場面では、ひとりで訪問してケアを行うため、判断に迷うことが多く、医師へ報告するかどうかも迷うことが多くあります。当センターでは、毎朝、訪問前に情報共有のためのミーティングを実施していますが、なかなかミーティングでは個々の看護師の迷いや判断まで深く協議することは困難でした。今回、臨床判断モデルを活用して事例を発表したことで、スタッフ全員が担当看護師はここまで考えて行動していたことが理解でき、発表者だけでなくスタッフ全員の新たな学びにつながったと思います。




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