福岡市内の訪問看護ステーションの管理者の有志7名が集まって学習会を開くためのファシリテーターの依頼があり、これまで2回の学習会を開催しました。
この学習会で最初に仲間を募ったのは、楽らくサポートセンター`レスピケアナースの管理者 山田真理子氏でしたので、グループの名前は『訪問看護管理者グループ山田会』となりました。
まず、『リフレクション』について学習し、いずれ訪問看護ステーション内での教育に活かしたいとのご希望があったので、『看護のためのリフレクションについて』講義し、その後、どのような学習会にしていくかを決めました。その結果、1~2か月に一度、計4回集まり、順番に『リフレクションしたい事例や場面』を提供し、皆で検討することから始めることになり、全体のファシリテーターをさせてもらうことにしました。
学習会は、1回につき2名が事例や場面を1つずつ提供し、約1時間ずつでリフレクションすることにしました。リフレクション学習を進める枠組みとして、『ギブスのリフレクション学習サイクルモデル』を使用し、なるべく自由な討議をしながら進める方法を提案しました。
まず、一人目の発表者の方から、ある利用者に対する看護の中でのスタッフに対する気がかりについて事例が提供され、リフレクションしていきました。その中で、管理者のストレスマネジメントの重要性が浮き彫りとなりました。スタッフ教育は管理者の重要な役割ですが、その中で感じるストレスも大きいようです。このグループ研修の中で、管理者の方が思いや感情を出せることが重要です。このような機会を通じて自分を客観視できることを発表者の方が実感されていました。
もう一人の発表者の方からは、現在関わっているある利用者への対応について、事業所全体での方針についての事例が出されました。状況を皆で共有していくうちに、訪問看護で関わるスタッフの負担が大きいのではないか、チームアプローチをどう活用するかという議論となりました。ケアマネジャーなどの専門職に加えて、利用者や家族にも可能な限り努力してもらい、チームアプローチのメンバーシップを発揮してもらうとよいのではといった意見が出されました。これらから、チームアプローチの中心に利用者・家族を据えがちだが、「家で療養を続けるというチームの目標」を中心に据えるチームアプローチの理論にあてはまるという議論にまで発展しました。
雰囲気の良い中での学習会となり、次回の山田会が楽しみとなりました。今後も、このような学習会で訪問看護の管理者の方々をエンパワーメントできるように支援していきたいと思います。