この度、福岡県医師会が主催する看護師の卒後研修会の看護実践者研修コース(卒後2~3年目対象)「看護研究の進め方」の講師をお引受けしました。看護研究は、日々看護実践している看護師にとっては難しいイメージがあるため、「実践者の方だからこそできる看護研究にはとても価値がある」ことが伝わる講義にしたいと考えました。
講義では、まずパワーポイントを用いて「看護研究の進め方の基礎」について説明し、日頃の気がかりをリサーチクエスチョンに置き換えて研究テーマを設定する重要性とコツについて触れていきました。午後からは、この「日ごろの気がかりからテーマを立てていくプロセス」をグループワークで演習してもらいました。あるグループは、「転倒リスクが高い高齢者への対応についての気がかり」から、「転倒リスクのある患者を受け持った際に看護師が抱える葛藤について明らかにすることを目的とする事例研究」に繋げました。また、あるグループは、「精神科病院で喫煙所がなくなることによる患者への影響の気がかり」から「禁煙を余儀なくされた閉鎖病棟の統合失調症の患者の精神的苦痛について明らかにすることを目的とした事例研究」に繋げていました。
臨床現場での患者理解や看護実践に焦点をあてた事例研究が見直されています。実践で活躍する看護師だからこそ、素晴らしい研究ができることを確信した研修会となりました。
研修後には、以下のような感想をいただきました